2023年、日本の住宅総数は6,504.7万戸に達し、2018年比4.2%増加。空き家数は900.2万戸、空き家率13.8%。だが持ち家率は2013年の61.9%から2023年の60.9%へと緩やかに低下し、東京都全体では44.7%、都心23区ではわずか41.0%だ。これが「平均の罠」——日本に家がないのではなく、適切な家・適切な立地・手頃な形態が噛み合っていないのだ。ここにこそ第三空間が入り込める余地がある。
日本の強み:成熟した空間再利用の文化
台湾や韓国と比べ、日本最大の強みは社会がすでに「空間の転用」に慣れていることだ。HAGISOは築68年の木造アパートを、カフェ・ギャラリー・宿泊受付・日常的なサロンを兼ねた「最小文化複合施設」に改装した。BONUS TRACKは下北澤の鉄道地下化と都市再開発から生まれ、個性的な店舗と文化イベントを吸収する街区レベルの起業・文化拠点となっている。東京都のINCU Tokyoはさらに一歩進んで、民間の第三空間を都市のイノベーションインフラそのものに組み込んでいる——単に机を貸すコワーキングではない。
代表事例:Impact HUB Tokyo
Impact HUB Tokyoはコミュニティ型コワーキングと都市イノベーション拠点を掛け合わせたモデルで運営されている——コワーキング、カフェ、テーマ別イベント、プログラム設計を通じて起業家、エンジニア、アーティスト、国際ネットワークをつなぎ、東京都自身のINCU Tokyoのインタビュー・デモンストレーション拠点にもなっている。収益は会員費、イベント、スペース、カフェ、協業プロジェクトが混ざり合い、賃料収入だけには頼っていない。
日本のリスク:ストックはあるが運営者が足りない
日本の問題は場所が足りないことではなく、長期的に運営でき、手頃な価格を保ち、社会資本に転換できる仕組みが足りないことだ。900万戸の空き家はそこにあるが、本当に欠けているのはコミュニティの編成と仲介を担う人材だ。この層がなければ、空き家はいつまでも空き家のままだ。
参入を考える人への2つの機会
空き家転用型ゲストハウス+メイカーハブ。使われなくなった古民家をゲストハウスのフロント、手作り工房、地域セレクトショップ、ワークショップに改装し、宿泊による人の流れを地域消費に変える——日本の高い空き家率と旧市街の観光ポテンシャルの組み合わせにぴったり合う。
第三空間運営SaaS。スケジュール管理、会員管理、イベント、ボランティア、インパクト指標、助成金管理をワンストップで提供するツール——日本の空き家活用事例の多くは個人運営者によるもので、標準化された運営ツールこそが不足している希少資源だ。
次回は韓国を取り上げる——聖水洞がどう第三空間を一つの街区にまで育て上げ、その同じ成功がどう自らを蝕んでいるかを見ていく。